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睡眠不足でケチになる?

睡眠不足は「他人を助けたい」という気持ちを削ぎ、寄付金の額にさえ影響を与えるという。米国カリフォルニア大学の研究。
睡眠不足の時は、困っている人を助けるかどうかを決めない方がよいかもしれない。睡眠が足りないと、脳の向社会的認知ネットワークの活動が低下する可能性が示された。

他人を助けたいという私たちの気持ちは、人間社会の基本だ。今回、研究グループは3つの実験から睡眠不足がこの重要な人間の行動にどのように影響するかを調べた。

まず最初の実験では、他人を助けたいという気持ちと脳活動が睡眠不足によりどう変化するかを調べた。具体的には、普通に眠れた時と睡眠不足の時に自己申告制の利他主義アンケートを通じて評価するとともに、脳活動をfMRIを用いて評価した。

第2の実験では、睡眠の質と量を評価する睡眠日記を付けた後、利他主義に関する質問票に答えてもらった。

第3の実験では、サマータイム制度によって睡眠時間が 1時間失われる前後の数週間に、米国での寄付額がどう変化するかを調べた。

その結果、fMRIでは睡眠不足が社会的認知脳ネットワークの活動を弱めることが示されるなど、全体として、この向社会的脳活動の障害は、他人を助けたいという自己申告の欲求が低下することに関連することが、最初の 2つの実験から明らかになった。

また、3番目の実験では、金銭的援助の減少と関連していた。サマータイム期間中は、寄付額が10%減少していたという。

研究者のウォーカー氏は、睡眠不足は人間社会の構造そのものを劣化させることを示しており、人間が社会的動物としてどのように行動するかは、どれだけの睡眠をとっているかに大きく依存しているようだ、などと述べている。

出典『プロス生物学』

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