声が高めな女性は実年齢より顔が若く見えるという。ただし残念ながら、魅力的だったり女性的、健康的に見えるとは限らないとのことだ。オーストリア・ウイーン大学の研究。

これまで、魅力についての研究の焦点は主に視覚にあった。どのような顔が、なぜ好まれるのだろうか、といったことだ。しかし徐々に、声や体臭など他の特性が研究対象に含まれるようになった。研究者たちは、声がその人の重要な資質に関する情報も伝えることができると考え始めたのだ。

本研究では参加者に、女性の顔を映したビデオを見てもらい、魅力、年齢、女性らしさ、健康に関して評価してもらった。参加者には同じビデオを2回見てもらったが、そのうち1回は少し高い声になるよう操作されていた。その目的は、声の高さの微妙な違いが顔の評価に影響を与えるかどうか、それが必然的に判断に影響を与えるかどうかを調べることだった。

結果、声が高いほど、顔は平均して半年ほど若いと評価されることがわかった。「これ（若さ）については、声が顔を評価する際に無視できない重要な役割を果たしているようです」と研究者のクルンホルツ氏は述べている。ただしそれは魅力、女性らしさ、健康的かどうかの評価とは異なっていた。これらについては、顔が重要な情報を提供しているようだ。そのため、声は無視され、顔の評価に大きな影響を与えることはない。

高い声が低い声よりも魅力的であると評価されなかったという事実は、研究者にとって驚くべきことだったという。「これは、既存の進化心理学的概念を再考し、個人の好みや違いのためにより多くの余地を作る必要があるかもしれないことを示している可能性があります」とクルンホルツ氏。研究グループは、魅力の評価においてさまざまな感覚とその特性が果たす役割を引き続き調査したいとしている。

出典『心理学の最前線』